#BSMAC2023 の記事になります。
BSMアドベントカレンダーは、BSMメンバーがクリスマスまでの期間中、毎日マガジン記事を投稿する企画です。BSMメンバーでない方も全て読むことができますので、クリスマスまで一緒に盛り上がりましょう!
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ご挨拶
こんにちはけんたと申します。DiscordではActionCamera副部長を務めさせて頂いてます。
仕事がら12月は一番忙しい時期なのですがBSMに加入してから一年経ち、せっかくなのでアドベントカレンダーに参加してみようと思いました。
私は都内でエスプレッソを軸としたかみむら食堂という飲食店を経営しております。そう、テックとは真逆のところにいます笑(趣味でYoutubeは上げてます。。。よろしければ笑)
とは言えキャッシュレス決済やタブレットでのオーダーなど完全アナログな世界ではないんですよね。
エスプレッソマシン
皆さんもスターバックスなどで見たことがあるかと思います。ほとんどがセミオートと呼ばれるマシンです。 セミオートマシンとは抽出のみを機械がやってくれるエスプレッソマシンです。 それに対しフルオートマシンはスイッチを押すだけで、豆挽きから抽出までをやってくれます。
シアトル系のカフェはエスプレッソマシンの背中側しか見えないと思いますが、イタリア系のカフェではバリスタのオペレーションがよく見えると思います。
グラインダーで豆を挽き、フィルターに入れ、タンパーと呼ばれる器具で豆を圧縮、マシンで水圧を掛けて抽出。この間1分掛かりません。
マシンで抽出してる時間は20~30秒。これはお店やメニューで変わってきますが、基本的に豆は20g前後、圧力は9気圧、抽出量は20~30ccとされています。たった60秒、たった大さじ二杯のコーヒーですので、少しの狂いが味に違いを生み出してしまいます。
味のコントロール
我々バリスタはこれをなんとか日々コントロールしています。その日の気温、湿度、天気でも圧縮する力加減を変え、豆の挽き具合(メッシュ)を変えます。もちろん豆の鮮度、焙煎具合も影響します。雨の日は湿度が高く、豆も湿気をすぐに吸いますので固めに圧縮したり、メッシュを細かくしたり。晴れの日はそれと逆に。
さて、そのエスプレッソマシンもトップのバリスタが使うエスプレッソマシンの一部にはコンピューターが入るようになりました。何をコントロールしているのか?
先述したとおり、エスプレッソは基本9気圧の力で抽出されています。
「抽出し始めと終わりまでずっと9気圧でいいのか」
日本では私も見たことはありませんが、ヨーロッパではまだまだ完全マニュアルでエスプレッソを淹れているお店があると聞きます。皆さんも映画等でで見たことがあるのではないでしょうか。手でレバーを押し下げて抽出するあれです。
人間の力のみで抽出するので圧力にも歪みがでます。
豆がお湯に浸かると、豆はその水分を吸収します。そして圧力を掛けると今度はその水分を豆の成分と一緒にエスプレッソとして出します。
突き詰めていくと味をコントロールするために水分を染みこませる時と、抽出するときで圧力を変えたくなります。ここでセミオートのエスプレッソマシンにもプログラムが必要になります。
抽出し始めは圧力を低く、十分水分を吸ったらぎゅっと圧力をかけて抽出、そして最後は雑味を出さないために圧力を低く…など。私が知っているマシンは0.5秒単位で設定できます。
これをプログラムするわけです。たった30秒、されど30秒。
とは言えここまでやるのはバリスタチャンピオンシップと呼ばれる大会に出るような本当のトップバリスタのみでしょう。 大会については今回は書かずにおきますね(笑)
大会に出るときは出番の時に設定するのか?もちろんそんな事はなく、最新のエスプレッソマシンにはUSB端子を備えており、USBメモリで自分の設定を持ち運びできるんです。
エスプレッソとUSBメモリ。一番遠くにありそうですが、意外に接点はあるんですね。
終わりに
多くのお客様がカフェラテをご注文されます。もちろん、毎度細心の注意を払って抽出してますが、一番緊張するのはエスプレッソを頼まれるお客様です。みなさんもラテを飲まれる機会が多いとは思いますが、たまにはバリスタを緊張させるためにエスプレッソを頼んでみてはいかがでしょうか笑
口の中に広がるコーヒーの酸味と苦み、そして香りを楽しんでみて頂きたいです。
お砂糖を入れる前と入れた後でも味は変わります。 5分くらいで飲みきって店を出る。 「かっこいいーー!」と店員には思われます(笑)
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