#BSMAC2023 の記事になります。
BSMアドベントカレンダーは、BSMメンバーがクリスマスまでの期間中、毎日マガジン記事を投稿する企画です。BSMメンバーでない方も全て読むことができますので、クリスマスまで一緒に盛り上がりましょう!
詳細についてはこちらをお読みください。
こんにちは! デイブ田中と申します。現在54才、外資系化学メーカーでデジタルマーケティングを担当しているサラリーマンで、YouTubeもやってます
…改めて自分で年を書くとゾッとしますが、それでも年齢を重ねてくると、結構仕事の相談を受けることが多くなってくるんですよね、特にキャリア設計について。
例の流行病なんかもあって、自分のライフスタイルや仕事に対して悩みを抱える人が多くなっているようです。
最近も数人の、それも若手から40代の方まで立て続けにキャリアに関するご相談を受けました。どうも他人から見ると、こんな中身は中学生でFanzaに毎月数千円課金しているような私でも、キャリア設計がうまく行っているように見えるみたいです。
アドベントカレンダーという年末のお祭り企画なのに、その初っ端のタイトルとしては甚だ固い内容ですみません。でも相談に乗った後、共通して「良かった」「ためになった」と言っていただけるポイントが何点かありました。自分のブログではなく、 #BSMAC2023 の場でお届けする理由もありますので、この場をお借りしたいと思います(理由は後でご説明しています)。
■この記事を読むメリット
- 「天職」に関する間違った理解に気付き、解放される
- 本当の「天職」の見つけ方とキャリアの育て方がわかる
- 「天職」や「転職」に悩んでいる身近な人へのサポートの仕方がわかる
- BSMに参加する理由がわかる
それでは本編スタートです!
天職という呪いからの脱出
今の若者取り巻く環境を考えた時、「天職を見つけたい」「何者かにならなければならない」プレッシャーって半端ないんじゃないかと思うんです。
私の父の世代なら、「集団就職」とか、私の世代なら「五大商社に入社できれば人生バラ色」「公務員は食いっぱぐれない」みたいな誰もが盲信できる目標がありました。
でも現在は、日本市場の成熟と成長鈍化の中で「みんな違ってみんな良い」「世界に一つだけの花」みたいなことを良しとしてますよね。
一見「ありのままの自分の肯定」で素晴らしいように聞こえますが、でもこれは私には「全員に配られる平等な不幸」のように感じられます。これをすでに実現している世界がありますよね、そうです「地獄」と言います。
SNSはインフルエンサーのキラキラしたストーリーやお金儲けの方法があふれています。自分の目の前に広がるあまりに多すぎる選択肢を前にして、正解もわからず、五里霧中の中で彷徨い続ける…そんなゾンビみたいな存在を生み出すだけの世の中になってしまっているのではないかと、本当に今の若者のことを心配しています。
そりゃ車も家も買わないし、結婚だって目指さなくなくなくない?
ガチャでSSR「天職」をゲットできなくても負けではない
「天職」に出会えた人たちは光り輝いて見えますよね。
特殊な才能や魅力、専門的な知識や経験を持ち、他に換えが効かないポジションを確立していきいきと楽しそうに、前向きにガンガン仕事しているように見える人達。そんな人を見ると、その人の人生に羨望し、嫉妬し、同時にその人が引いたカードのレアリティ具合と、自分の手札の違いに愕然としてしまう。
「もうちょっと良いカード引けてたらなぁ」…と。
私も正直美少女でスタイル良かったらセクシーな格好してガジェット紹介してもっとYouTubeの登録者数稼げるのに、とか思ってますよ(最低だな)。
でも、ちょっと考えてみてください。そんなレアカードってほんとの一握り、1%くらいの恵まれた人にしか巡ってこないです。超美形とか、親が芸能人とか、スポーツ選手とか、商売をやっているとか、お金持ちとか。
でも、もったいないことにせっかくそんなレアカードを持って生まれていたとしても、それに気が付かずに無駄にする人もいます。
また本人が「天職だ!」と思って喜んでいたって、巡りあわせによっては挫折を味わうことだってあるでしょう。あなたよりも才能に恵まれている「The 天職 of 天職」「上位互換」の人が目の前に現れて、あなたがのびのび広げていた翼が無残にもぶち折られてしまうことだってあります。それが人生です。
結局我々はそんな「スーパースペシャルレア」みたいなレアカードに頼らず、もっと平凡な手札の組み合わせで戦うしかないんです。
運をコントロールすることはできない。でも、その平凡な手札をどう育てて、またどんな組み合わせで役満にするかは自分でコントロールできる。というか唯一それしかできないことに早く気がついてキャリアに対する戦略を立てるべきだと思います。
ポイント1:天職とかいう言葉に惑わされず、キャリア育成のための具体的で地に足のついた戦略立案と実行が必須であると自覚する
正しく「天職」を見つける3つのステップ
戦略立案に際して重要なポイントを図で説明してみますね。いわゆる「天職」に一番近い状態とは
- その人にその分野で求められる高い能力があり
- かつそれを発揮するのに自分の内側から強い意欲が湧き上がってくるような仕事をした結果
- 社会(会社)から高く評価され、素晴らしい結果(地位・名誉・お金)が得られている状態
と分解できると思います。
これを一気に手札で揃えられちゃうのが前述の「SSR天職カード」ですね。これさえ入手しちゃえば、細かいことは考えずに、がむしゃらにやっていればすべて手に入るでしょう。でも繰り返しになりますが通常はそんなカードは手札にありません。
そこで既出も既出ではありますが、下記の図を一度書いてみましょう。「Must-Will-Can Framework」とか「MWC」とか言われるものです。
この図は、仕事を「やるべきこと」「やりたいこと」「できること」に分解して、それらが相互に組み合わさった場所が何になるのかをベン図で示したものです。
主に解説されるのは真ん中の3つの輪が重なったセンターの部分「天職」なので、通常そこに目がいきがちなんです。
でもこの図を実際に活用するとしたら、本当に大事なのは「どの丸から描き始めるか」という部分なんです。 ちょっとその辺をしっかり解説したいと思います。
「できること」は大切だが、柔軟に考えよう
右下の輪「できること」は、あなたのスキルや知識に関するものですが、これはたくさん書き出してみるのは良い事のですが、忘れてはいけないポイントとしては、我々の人生のルールブックには「手札1枚で勝負しなければならない」なんて項目はないんです。
平凡な我々だからこそ、掛け算でユニークスキルを獲得すべきです。
例えば「英語」と「子どもをあやすこと」が能力的に上手な人が、それに「撮影技術」を追加したら「インバウンド家族のためのアテンド専門カメラマン」として他の人にできないサービスを提供できるかもしれません。
「英語80点 x 子どもあやし80点 x カメラマン60点」でスタートしたとしても、それだけで貴重な存在です。何年か続けていくうちに撮影スキルもスコアアップしてNo.1・唯一無二な存在になるでしょう。そして、その頃には「あの人天職見つけたね!」と言われる存在になっているのです。
そして、勉強したり努力すればひとかどの、あるいはプロと呼ばれる地点に到達することが可能です。マルコム・グラッドウェルというカナダ人のジャーナリストが書いた「天才! 成功する人々の法則」の「1万時間説」は有名ですね。
だから、ここは知恵を絞って掛け算を考えてみてください。ただし、この「できること」は目的を達成するための「手段」でしかありません。戦略・戦術でいえば後者の方ですね。だから、ここを最初に書くことはお勧めできません。
「やるべきこと」は大きな戦場を選ぶことが重要
上の輪の「やるべきこと」の部分ですが、ここは非常に重要です。
今の世の中で解決すべき課題・命題はいっぱいあります。たとえば「小子高齢化」「経済格差・貧困」「SDGs」「Diversity & Inclusion」「LGBTQ+」「円安ドル高」、「AI到来」などなど。この課題・命題は大きければ大きいほど、そこにニーズがあり、人がいてお金も集まってきます。解決、あるいは解決に貢献できれば圧倒的な達成感が得られます。
世の中には、ここがすでにガッチリ決まっている人がいますね。例えば「経済格差・貧困」を解決することを自分の生きる意味や使命として捉え、NPOやNGOを立ち上げ日夜活動する人。素晴らしいと思います。
でも、使命のレベルになっていれば何をやっても大丈夫かもしれませんが、大抵の場合、先にここを決めてしまうとまさに図の左斜め上にある「受託」のモードで仕事をすることになります。「まぁそんなにやりたいわけじゃないけど、重要なテーマだし、仕事としては稼げそうだし…」。
このご時世、飯がしっかり食えるお仕事を見つけてやっているだけでも十分立派ですが、私のところに相談に来る方の悩みもここで悩んでいる方が多いんです。「このまま、『できる仕事』をやり続けて未来はあるのか?」と。
やはり真っ先にすべきは「やりたいこと」を見極めること
もう結論を述べたも同然ですが、一番初めに見極めなければならないことは、あなたが「やりたいこと」です。
そして、これは人に教わることはできません。「書籍やTVやSNSなどで色々な可能性について学ぶことはできるが、最終的にそれを選ぶのは自分」でしかないのです。
まず私からのアドバイスは「自分の好きに敏感であれ」ということです。具体的に言えば「好き」という感情を得た時に、なぜ好きなのかを解像度を上げて見極めていくことですね。
アニメが好き=ストーリーが好きなのか? キャラクターが好きなのか? 作画が好きなのか? 劇伴やBGMが好きなのか?
自分の好きを客観視できると、そこから他の好きに横展開できます。ストーリーが好きなら、じゃ小説は? 演劇は? コントは? 歌舞伎は? オペラは?など、どんどん範囲を広げつつ、深掘りできます。
仕事もそうです。私は社内で長年デジタルマーケティングに関するオンラインセミナーを開催していますが、これは業務で指示されたものではなく、会社に存在する「15%カルチャー」という制度を利用して勝手にやっているものです。
私はなぜセミナーが好きなのかを突き詰めると、ぶっちゃけ「新し物好きで、誰よりも早く体験し、それを他人に紹介して喜んで欲しい/役に立ちたい」からということなんですよね。これ、私がブログやYouTubeをやっている理由と共通しています。
こうやって、自分の中の「やりたいこと」をしっかり認識することが必要です。ちゃんと文字にして、いつでも見返せるようにしておきましょう。
ポイント2:まず「やりたいこと」を見極め、その後で戦う場所とツールを決定することで、やらされではない「真の天職」にたどり着くことができる
やりたいことが見つからないという人へ
そうはいっても、その「自分が好きなこと、やりたいこと」ってのがわからないんだよ、という悩みをお持ちの方に、私から2つの方法をお薦めしておきます。
1) 書籍を活用する
USJの経営再建に成功し、株式会社刀を企業。その後も丸亀製麺を僅か半年でV字回復に導き、旧グリーンピア三木(現ネスタリゾート神戸)の経営再建や西武園ゆうえんちのリニューアル、そして2025年に沖縄でテーマパーク「ジャングリア」の開業を発表するなど勢いの止まらない森岡 毅氏が著書「苦しかった時の話をしようか」の中で強みの見つけ方について具体的な方法を語っています。
「あなたの強みは好きなことの中に必ずある」と話す森岡さんのお話は下記のダイアモンド・オンラインの記事でさわりを読めますので、ぜひチェックしてみてみてください。
2) BSMに参加する
自分で強みを見つける方法以外に、他の人との関わりの中から見つける方法もあります。特にお勧めなのは、仕事などの利害関係や上下関係がなく、年齢やバックグラウンドもバラバラな人が集まるコミュニティに参加することです。
他の人と触れ合う中で最新情報や知らなかった世界に触れ、刺激を受ける。自分も発信していく中で、そのコミュニティの中で自分の立ち位置や、役割を客観視できるようになり、結果として「自分がどんなことで評価される/されたいのか」「自分が楽しいと思う時はどんな時なのか」が見つかると思います。
でも、できれば自分が好きなことや、興味を持てることで盛り上がっている、初心者にも優しいコミュニティがあればいいですよね? 学生さんだったらお財布にも優しい方がありがたいし…
「でも、そんな都合の良いコミュニティなんかあるかなぁ?」
「BSMが、ありまーす」
backspace.fmの有料プログラム「BSM」に参加すると、専用のDiscordサーバーにアクセスできます。そこには、色々なジャンルで自分の好きなことを極めている人がたくさんいて、毎日活発にコミュニケーションされています。
年齢が上がってくれば来るほど「仕事」と「家庭」といった固定的な人間関係しか存在しない方も多いと思います。もちろんそれで満足できていれば問題ないのですが、もし課題を感じたらぜひコミュニティの参加を検討してみてください。
「やりたいことが見つからないで悩んでいる人」が周囲にいる人へのお願い
ちょっと視点を変えて、これは私の経験を踏まえた上でお伝えしたいのですが、もし自分のご家族や近しいご友人で「やりたいことが見つからない」とか「天職が見つからない」という悩みを抱えている人がいたら、ちょっとその人の長所や強みについて考えてあげてください。
意外に、というか往々にして、本人よりも周囲の人の方がその人の強みや長所に気がつきやすいものです。そしてできれば、お節介に思われるかもしれませんが、勇気を持ってそれを相手に伝えてあげてください。
その時に1つコツがあります。客観的な事実だけではなく、その後キャリアにつながりそうな言葉を添えてあげてください。
- 「パソコン詳しいよね+IT系の職業向いているんじゃない?」
- 「声がとても良いよね+アナウンサーとか声の仕事向いているんじゃない?
- 「新しいiPhoneの機能とか説明してくれるの上手だよね+YouTuberとかやってみたら?」
最終的には自分の力で「好きなこと」の中から「仕事としてやりたいこと」を見つける必要があるのですが、それには材料と燃料の2つが必要なので、その2つをその人の心に焚(く)べてあげてほしいというお願いをしています。
私の実体験として、そんな一言が何十年とその人の、小さいけど決して消えない灯火(ともしび)となってその人を支えてくれるという経験をしています。
皆さんもそういう経験ないでしょうか。他人からの一言がきっかけとなって、自分の長所や強みを認識し、それを活かせる仕事が好きになり、上達した結果他人から必要とされる唯一無二の存在になっていく。あなたがかけた言葉が、そんな一歩になるかもしれません。
下記に私の個人的な経験についてご紹介しておきます。超個人的な内容なので、あくまでお時間のある方だけお読みいただければと思います。
私がもらった「ひとこと」(クリックすると内容が読めます)
私はキャリアのスタートが「MacPower」というMac専門月刊誌の編集者だったんですが、着任早々編集部の出張スタッフの2名のうちの1人に選んでいただき、Macworld San Franciscoという海外イベントの取材に連れて行っていただきました。社会人4年目のことでした。
そのイベントはApple好きにとってはお祭りなのですごく嬉しかったのですが、外国旅行自体が初めて&イベント取材の右も左もわからず。英語での取材交渉やインタビュー依頼など隅から隅まで初めてで、慣れない写真撮影もしなきゃいけなくて…もうただただ死に物狂いで、恥もかきまくって頑張りました。
先輩編集者の方とホールを手分けして取材していたのですが、焦りばかりが先行してミスも多く、今考えてもひどい取材体験でした。取材したのに担当者の方のお名前を聞いていない、写真を撮り忘れるなどやらかしてしまい何度もブースを再訪するなどなど…
プレスセンターで軽食が食べられたのですが、時間のない中で焦って食事しているので、ポテサラと間違えてホースラディッシュを口いっぱい頬張ってしまい、悶絶する始末(死ぬかと思った)。
肉体的にも精神的にもズタボロになりながら、4日間の取材をなんとか終えましたが、帰国の途につく日にはあまりの自分の不甲斐なさに絶望していました。数々が失敗が脳裏をよぎり、正直「日本帰ったらもう転部願い書くしかないな…」と思ってました。
でも、帰国便に乗り込む前のサンフランシスコ国際空港のロビーで、別れ際に先輩が「今回の出張助かったよ、デイブこの仕事向いてるよ」と声をかけてくれたんです! その後、機内でその言葉を噛み締めるようにして泣きました…
この言葉は、小さいけれどずっと消えない灯火のように、変わらず私の心の片隅に残っていて、その後の人生でも何度も支えてもらっています。
そして、それは不思議なことに編集者とは別の職業についていて、さらに54才にもなった超えた今でも変わらず私を支えてくれています(あと小6の時の初恋の女の子のお母さんに言われた「田中くんはなんか顔つきが高貴な感じがするわ」というのも)。
こういう言葉、すごく大事だと思いませんか? 困っている人がいたら、あなたが一声かけてあげてください。その時はピンとこなくても、のちの人生でその人の心の中を常に照らしてくれるかけがえのない灯りになるかもしれません。
ポイント3:やりたいことが見つからない場合は本を読んだり、コミュニティに参加することで見つかるかもしれない。周囲の人も、悩んでいる人がいたら声をかけてあげよう。
キャリアパスを育てるための大事なポイント
私が受ける相談内容は大まかに言えば「天職を見つける方法」と「キャリアをどう伸ばしていくか」の2種類に分かれます。
ここからは、後者のキャリアの伸ばし方について私が重視していることをまとめて書いてみました。できるだけ属人性が低く、かつ再現性が高い方法で書かせていただいたつもりです。
まず、ざっくりと私のキャリアをまとめてみました。
一応詳細は下記に記しますが、こちらも超長い自己紹介みたいになってしまうので、折りたたんでおきますね
デイブの職歴(クリックすると内容が読めます)
- ゲーム好き・それもRPG好き→アスキーというパソコン雑誌で紹介されていた、Macintosh版の白黒の「ウィザードリー #1」が無性にやりたくて、大学入学祝いに親に「Macintosh Plus」を買ってもらう。英語は唯一の情報ソースなので頑張ってなんとか読む。もしこの時、同時期に発売されたフルカラーでグラディウスのレーザーが長くてFM音源のBGMが魅力的だった「シャープ X68000」を買っていたら人生変わってた。
- 大学にほとんど行かずゲーム三昧の日々。2年生の夏に池袋西武WAVE館にできたMacintoshの販売店(「Apple House」というストレートな名前のお店でした)に週5バイトで入り浸る。そして知らずのうちに親の扶養を外れてしまい迷惑をかける。仕事内容としてはハード・ソフトの販売だけじゃなくて、レーザープリンターでの印刷サービス、さらには客先常駐でカルテの入力などもお手伝いしてました(今じゃダメだけど)。
- そんな時、バイトの後輩(大学も学年も一緒だけどあとから入ってきた)が「アスキー」の新卒採用試験に誘ってくれて、興味あったので面接に行って二人とも内定をいただき、慌てて64単位残っていたところ必死に大学に通ってなんとか卒業。その同期が「ゼノギアス」「ゼノブレード」シリーズなどを開発するモノリスソフトウェア株式会社代表取締役の杉浦博英君 https://www.monolithsoft.co.jp/message/)。バブル弾け始めていたし、アスキーもバタバタしていた時期なので本当にラストチャンスでした。
- アスキーではまずビジネス開発部みたいなところに配属されましたが全く合わず、2年目に出版局に転部希望を出し、元々希望だった出版局に異動。Mac向けのCD-Rマガジン「HyperLib」に編集者として拾ってもらう。その後月刊専門誌「MacPower」に異動。スタッフ・ライティングと言って編集者も記名でいっぱい記事書いてました。
- 1995年前後、インターネットブームに乗ってWEBサイトの制作・運用を担当。取材の時に知り合ったAdobeのマーコムの部長さんに声をかけてもらってAdobeに転職。
- 4年後にAppleに転職。同じくコーポレートWebサイトの担当。一番きついのはやはり自分が編集者だった時にも苦しめられた新製品発表の時でした。発表のたびに翻訳者とWeb制作会社の人と会社に2週間くらい缶詰になり、発表前の数日は徹夜で泊まり込みで日本語サイト作ってました。
- その後、なんだかんだあって4年後にeCommerce担当としてAdobeに呼び戻していただきました。Adobeがサブスクを開始する直前まで、直販サイトとコールセンターのマネージメントを担当。
- 2011年より現職3M。転職理由は、BtoCは色々やらせていただいたので、「次はまだ見ぬBtoBデジタルマーケティングで勝負したろかい!」という、今考えたら奢った考えによるものでした。きちんと大小色々な困難にぶつかって挫折も何回か経験しながら、もがいてもがいてなんとか今は形になっているのではないかと思います。MA/SFAやWebinarツールの担当を経て、今年から社内開発のAIツールのアジアにおけるデプロイメントや教育・啓蒙を行う仕事をしています。
このように職歴を並べてみると、まるで未来を見越してちゃんと設計したような、無駄のないキャリアパスを描けているように見えるかもしれませんが、そんなことは全くありません。本当は行き当たりばったりの人生なんです。
でも、これ繋がっているように見えるのは理由があります。
私のようなやり方をすれば絶対繋がるんです。なぜならば、3輪の図で言えば、私はあくまで下の2輪、つまり「やりたくて、できること」にこだわっているので、そこはブレないですし、例えば面接官の評価もそうなります。そして、これは前の経験や知識が決して無駄にならない方法でもあります。
私の場合「やりたいこと」は、どの段階でも結局、魅力的なコンテンツを作成し、ターゲットとなるカスタマーに効果的に効率良く届け、それを活用して受信者に期待したアクションを起こさせる、ということをずっと好んで行ってきました。副業も同じです。
「できること」は記事制作、メール開発、LP開発、動画制作、AI活用など変わっているようですが、これも本質的な部分は変わりません。やりたいことを叶えるためのスキル、つまり「コンテンツ開発のためのスキル」を磨き続けています。
そうやって働き続けている中で「会社のニーズ/社会の要請」が変わるタイミングがありました。インターネットとか、Eコマースとか、B2Bとか、AIなど。それに応じてキャリアを変更していくのですが、必ず以前の経験を踏まえてその上にキャリアを重ねているのがお分かりになると思います。
これはいわゆる「ジェネラリスト」「スペシャリスト」でいうところの後者の戦い方ですね。
一方でジェネラリストの方は、上と左、つまり「やるべきこととやりたいこと」はしっかり押さえておき、そこでできることを、例えば営業スキル、マーケティングスキル、時にはスタッフ部門に異動するなどして活躍のフィールドを変えていくやり方になります。
「ジェネラリスト」「スペシャリスト」どちらの場合でも「1回の転職やキャリアチェンジでは2つの輪を土台にして、他の1つの輪をピボットさせる」のがオススメです。それが他人から見ても「キャリアパスが連続している」という評価をいただけるポイントだと思います。
ポイント4:連続したキャリアパスは、3つのうち2つの輪をブラさないことでもたらされる。どの輪を育て、どこを変化させるかを考えよう
転職判断のポイント
このキャリアパスの考え方は、転職判断も明確にしてくれます。
- 「やりたいこと」ができない
- 「できること」が増えるようなチャレンジに挑めない
これがダメだと、輪が育ちませんので転職を考える必要があります。ただ、これは面接でも必ず聞かれるポイントなのですが、上記がダメだからと言って会社のせいにだけしていたら希望の転職はできないと思います。
「やるべきこと」は、そのポジション・時代・会社の事情によって変わるので、そこは誰に言われなくても常にアンテナを張って「自分が会社あるいは会社を通じて社会に貢献できるものは何か?」について自分で見つけてこなければなりません。
「やりたいこと」も、ただやりたいことができない!と文句を言っているだけでなく、自分で勉強して「できること」を増やしておき、「やるべきこと」を真剣に考え、それを合わせて企画書や提案書を書いて、自分のチャレンジのフィールドを広げる努力をしましょう。
これらにチャレンジして実際に行動に移して成果を出した人は「仕事をゼロから作れる人」とみなされ、評価も高くなります。しかし、トライして挫折した場合も、その経験は全く無駄になりません。
挫折した経験についても、包み隠さず職務経歴書に書いておきましょう。面接官は挫折した理由や、その状況であなたがどんなふうに立ち向かったか、努力したか、また今またトライするならどこを改善するか、などを聞いてくると思います。
ここにきちんと答えられる人は採用側から見ても魅力的な人材ですので、常に心がけてチャレンジし続けることをお勧めします。
これを心がけておけば、年齢が上になってのキャリアチェンジも怖くありません!
ポイント5:キャリアパスの停滞が懸念される場合は転職も考えよう。ただし、それまでにしっかりチャレンジして転職理由を説明できるようにしておこう
最後に
以上、長文にお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
これから忙しい年末年始に突入しますが、もし今自分の仕事やキャリアに悩んでいたり、迷っている人、あるいは周囲にそういう人がいる方に一度立ち止まって考えていただきたいと思い、この文章を寄稿させていただきました。
ここまで読んでくださった皆様は、今どんな状況ですか? 最後の最後に、自分で人生に折り合いをつける瞬間、諦めの部分をちょっとでも減らせそうですか? この文章が、あなたと、あなたの大事な人の幸せな人生に少しでもお役に立つことを祈念しております。
重ねて、最後までお読みいただき、ありがとうございました!
デイブ田中
P.S. そう、最後に重要なお願いがあります。本文中でも書きましたが、フィードバックってすごく励みになるし、ためにもなります。なんでも良いので、ぜひコメントをお願いします! 他のアドベントカレンダー寄稿者の方にもバンバンコメント書いてあげてくださいね、それでは!
カレンダー期間中の記事一覧はこちらからご覧いただけます。最後までお読みいただきありがとうございました。